シャーデンフロイデ 他人を引きずり下ろす快感

著者:中野信子

発行年月日:2018年1月20日

出版社:幻冬舎

 

目次

第1章 シャーデンフロイデ

第2章 加速する「不謹慎」

第3章 倫理的であるということ

第4章 「愛と正義」のために殺し合うヒト

 

著者

中野信子(なかののぶこ)

脳科学者、医学博士、認知科学者。東京大学工学部卒業。東京大学大学院医学系研究科脳神経医学専攻博士課程修了。フランス国立研究所にて、博士研究員として勤務後、帰国。脳や心理学をテーマに、研究や執筆を精力的に行う。

 

シャーデンフロイデ」とは、他人を引きずり下ろしたときに生まれる快感のこと。成功者のちょっとした失敗をネット上で糾弾し、喜びに浸る。実はこの行動の根幹には、脳内物質「オキシトシン」が深く関わっている。オキシトシンは、母子間など、人と人との愛着を形成するために欠かせない脳内ホルモンだが、最新の研究では「妬み」感情も高めてしまうことがわかってきた。なぜ人間は一見、非生産的に思える「妬み」という感情を他人に覚え、その不幸を喜ぶのか。現代社会が抱える病理の象徴「シャーデンフロイデ」の正体を解き明かす。

 

レビュー

あなたは、他人の不幸を喜んだことはありますか?

 

タイトルの「シャーデンフロイデ」とは、誰かが失敗した時に、思わず沸き起こってしまう喜びの感情のことで、「いい気味だ」、「調子に乗るからだ」、「どうせならもっと痛い目に逢えば面白いのに」などの「妬み」と呼ばれる感情のことです。

 

妬みの感情は、オキシトシンと深い関係があります。オキシトシンは、愛し合ったり、仲間を大切にしたいという気持ちなど人間に良い影響を与える物質と考えられていますが、最近の研究で、妬み感情も強めてしまう働きを持つことがわかってきました。オキシトシンは妬みからシャーデンフロイデに至る一連の感情の流れを強めてしまう物質であると考えられています。

 

なぜ、人は妬みの感情を持ってしまうのでしょうか?

 

それは、人だからです。人は集団でいることで生存確率を高める種だと考えられています。集団を維持するためには協調性が必要ですが、一人でも自分勝手な人がいたら、集団は崩壊してしまいます。人は集団を守るため、自分勝手な人を排除しようとします。これが社会的排除の原理です。社会的排除をするとき、脳には「快楽」が生み出されるのです。これはどんな人の脳の中でも感じられます。そして、排除の標的となる人を発見するは妬み感情なのです。

 

「最近目立っているあの人」「上から目線で気に入らない」などという形で排除の標的対象を発見し、「コメント欄で炎上させてやれ」「ツイッターで攻撃してやれ」「いい気味だ」というように排除が実行されていきます。この時、人の脳には快楽が生まれます。

 

ネット上のバッシングは、特定の人に起こるのではなく、誰にでも起こりうることなのです。

 

おわりに

もし、この本に興味を持ったら、実際に読んでみることをお勧めします。自分の解釈が間違っていることもありますのでご注意ください。