稲盛和夫の実践アメーバ経営 全社員が自ら採算をつくる
著者:稲盛和夫
発行年月日:2017年9月1日
出版社:日本経済新聞出版社
目次
第1章 哲学の共有が欠かせない
第2章 日本航空を再建した全員参加経営
第3章 まずは機能ありきー組織づくりの要諦
第4章 採算管理でやる気を引き出すー運用ルールの構築
第5章 全社員が自らの意志で採算をつくる
著者
稲盛和夫(いなもり・かずお)
1932年鹿児島県生まれ。59年、京都セラミック株式会社(現京セラ)を設立。社長、会長を経て、97年より名誉会長を務める。84年に第二電電(現KDDI)を設立し、会長に就任。2001年より最高顧問。2010年には日本航空会長に就任。代表取締役会長、名誉会長を経て、15年より名誉顧問。このほか、1984年に稲盛財団を設立し、「京都賞」を創設。毎年、人類社会の進歩発展に功績のあった人々を顕彰している。また、若手経営者が集まる経営塾「盛和塾」の塾長として、後進の育成に心血を注ぐ。
本書では第1、2章で私がアメーバ経営の概要と経営哲学の果たす役割を、第3~5章でアメーバ経営を導入し高収益企業として生まれ変わった日本航空の事例を含め、KCCSがアメーバ経営の具体的な進め方を解説している。
レビュー
たとえサラリーマンでも経営者意識を持つことは必要なことだと思い、この本を手に取りました。
アメーバ経営とは、会社の組織を「アメーバ」と呼ぶ小集団に分けて、アメーバごとに採算を管理することで、全社員が経営者意識を持つという経営システム。全社員が経営意識を持つことで「売上最大、経費最小」を目指します。
目的
1.全員参加経営の実現
2.経営者意識を持つ人材の育成
3.市場に直結した部門別採算制度の確立
組織を小集団に分ける条件
1.独立採算組織として成り立つ単位である
2.ビジネスとして完結する単位である
3.会社全体の目的や方針を遂行できる単位である
機能と役割
「営業」・・・売上最大を目指して受注・納品・代金回収までの一連の活動をおこない、製造部門に生産案件をもたらし、事業を拡大する。収入とそれに対応した経費を管理する採算部門とする。
「製造」「サービス」・・・顧客が要求する品質と納期で製品やサービスを提供し、付加価値の最大化を目指す。利益を生み出すのは製造部門と考え、収入と経費を管理する採算部門とする。
「研究開発」「企画」・・・社会のニーズに合った新製品や新技術を開発し、新しい製品・サービス価値を製造部門に提供する。また、新しい価値を創出して新市場をつくり出す。開発部門は開発した製品の売り上げから一定の収入を得るようにルールを設定して採算部門とする。研究部門は短期的に収益に直結しづらいため非採算部門とする。
「管理」・・・経営理念や会社方針の浸透と管理ルールの設定・運用を通じて採算部門をサポートし、健全な企業経営を実現する。提供するサービスの質を維持しつつも、経費最小を追求する。非採算部門。
1.アメーバ経営を正しく機能させるためのインフラ構築
(1)収入をとらえるための仕組みなどを構築する
(2)伝票処理などの各種ルールを設定・運用する
2.経営情報の正確かつタイムリーな提供
(1)時間当り採算表を作成し、経営トップや各部門のリーダーをはじめとする全社員にタイムリーに提供する
3.会社資産の健全なる管理
(1)売掛金、在庫、固定資産など会社が保有する資産を適切に管理する。在庫の残高を随時把握し、将来販売される見込みが乏しいときは、速やかに除却するよう促す。
(2)管理対象は、貸借対照表の各種資産にとどまらず、受注残など各種残高にも及ぶ。
受注生産ビジネスのフロー
客先からの受注→資材発注→購入品入荷→製品生産→製品出荷→請求・入金
各段階で伝票処理して金額と物品数量が正確に把握できるようにする。
稲盛和夫さんの著書はたくさん出ているので、他のも読んでみたいと思いました。
おわりに
もし、この本に興味を持ったら実際に読んでみることをお勧めします。私の解釈が間違っているかもしれませんのでご容赦ください。