アサダイ備忘録

~読書ノート・雑記ノート~

統計を正しく使いこなすための基礎知識を学ぶ

『知っておきたい!統計のオモテとウラ』神林博史(著)

この本は、統計や統計学の重要性、基礎的な統計数値を見る上で注意すべきことなど、本格的な統計学の前段階の内容を解説したものです。統計学をきちんと勉強するのは大変そうだけど、統計の基本的なことや大事なことは最低限知っておきたいという方にぴったりの本かもしれません。(出典:『知っておきたい!統計のオモテとウラ』)

 

この本をひと言でいうと、

統計を正しく使いこなすための基礎知識を学ぶ

 

統計学の重要性

統計とは、データを収集して、傾向や特徴を分析すること。データをもとに分析するため、経験や思い込みなどの曖昧なものではなく、確実な証拠に基づいて客観的に分析することができる。統計は国勢調査やプロスポーツなど様々な分野で利用されている。

 

統計数値を見る上で注意すべきこと

統計がすべて正しいとは限らない。定義が間違っていれば統計数値も間違っている。定義とは、集計対象が何かはっきりさせること。

たとえば、マンションの棟数を数える場合、「マンションとは何か」をはっきりさせなければならない。マンションの棟数を数えるのにアパートを含んでは正しい統計数値が出ない。

 

「平均値」はよく使われる統計数値だが、ちょうど真ん中の値になるとは限らない。たとえば、不動産会社A支店の営業5人の今月の営業成績を例にする。

①の場合、5人全員が4件ずつ契約を取れば、平均4件となり、全員がそれなりに頑張ったと言える。

②の場合、A氏ひとりで20件契約を獲得し、ほかの4人が0件でも、平均値は4件となる。平均値は、極端は数値に影響を受け、ちょうど真ん中の値になるとは限らない。統計数値の特徴を理解することが大切。

 

今月の営業成績

    ①   ②

A氏  4件  20件

B氏  4件  0件

C氏  4件  0件

D氏  4件  0件

E氏  4件  0件

平均  4件  4件

 

統計のオモテとウラ

統計はエビデンス(証拠)に基づいて客観的に分析するため、様々な場面で重視されている。しかし、良いことばかりではない。自分に都合の良いデータだけを集めて統計数値を出すこともできる。

 

統計は正しい判断をするための道具である。しかし、世の中には「幸せ」や「人間的成長」など数値化できないものも存在する。数値化しやすいものだけを重視し、数値化できないものを無視すると、正しい判断ができなくなるかもいれない。

 

統計は使い方次第で、有益にもなるし有害にもなりえる。統計の基礎について詳しく知りたい方は本書をご確認ください。

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